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【深淵オーディオ】(1)化け物級Current Feedback Discrete Operational Amplifier DIY(自作)

‹ 2026/03/01 ›

こんばんは。いや~、すっかり春ですねぇ。

いやいや、納期の嵐、年度末ですね!

(忙しいこの時期、こんな趣味記事でいいのかしら?汗)


さてさて、PopoDACを作って以来、オーディオ周りで刷新したい機器が莫大に増えてしまいました。^^;

(そんくらいPopoDACはいい~♪)


ということで、今回から超広域&超解像度なディスクリート・オペアンプの自作をしていきます。

無論、到達スペックは怪物級の音質となります。汗

この段階で、回路設計とPCBは仕上がっているので、まずは現物を見てみましょう。^^



はい、オペアンプにしては怪物級にデカいです。汗

(ひ、左のものが今回のCFA型オペアンプになります。)

(ちなみに、右PCBはVFB型のオペアンプです。)


全パーツSMDで揃えて見たんですが、私的にはこのくらいのサイズ感が限界でした・・・。><


PopoCFA-467 Clarityの仕様

さて、サイズが怪物級なだけなら面白くありませんので、まずは仕様の観点からこのディスクリート・オペアンプの行きつく先を紐解いていきます。


名称:PopoCFA-467 Clarity

構造:CFA(電流帰還)タイプ

電源電圧:~±24V

出力電流:~500mA(最大1A)

DCオフセット:-21mV程度

SrewRate:150V/us

GBW:25MHz

THD:0.0017%

特徴:高電圧高出力、高分離再現性(爆速SRの切れ味)、超広帯域性(可聴外オーディオ帯域)、十分な低歪

用途:音場の分離・再現性のよい前段オペアンプ、ひとつでまかなえるIV変換兼増幅マルチアンプ、そのまんまヘッドホンアンプ


どうでしょう?ヤバくないすか?^^;

そして活用性の広がりも感じますでしょう。

(あくまでLTSpiceシミュレーション上ですが・・・)


「150V/µs・25MHz・CFA・500mA・±24V」


一言でいえば、ここでは『無音から音の量子の立ち上がりまで全部を活かしきるオペアンプ』を作ります。

音質の再現性でいえば、最も難しいと感じる「雨粒の音、空気の震音」をスピーカーでも極限までに自然に聞こえるアンプをこさえるのが目的となります。^^


PopoCFA-467 Clarityの哲学

「雨粒や空気を切る風の音って、イヤホンやヘッドホンでは聞こえるけど・・・、スピーカーで自然に聞こえた経験って少なくないですか?」


(多分ほとんどの方は、音楽的には無意識領域で余り気にかかってないか、そう言われてみれば・・・?と思えるでしょう)

実は私もPopoDACを開発するまでは余り理解できておらず、雨粒を感じ取るのに半世紀もかかってしまいました。

PopoDAC開発中に延々と視聴と改修を繰り返しながら、量子転送がうまくできるようになったある時に、楽曲中に入った雨音の粒子を見つけた時に、初めてその再現性の難しさを知りました。


例えば、雨粒はまとめて聞けば、ザーとか、バババーとか、ポツポツとか・・・、言ってみれば全体がノイズのように感じます。

が、実際自然の中で聞いている時、ある時はノイズでもあるし、別のある時は静けさを感じる音でもあるし、またある時は寂しさを助長する音でもあります。


そしてその実態は、雨粒のひとつひとつがそれぞれの音を奏でる粒子であり、雨音とはその集合体(混成)音に他なりません。

これをなるべく音量子単位に再現すればより本来の雨音に近づくし、分解能が低ければその音は全体が塊りのノイズのままになります。


「あれ?PopoDACの高再現性のために前回までPopo BVPPC Headphone Amplifierを作ってなかった?」

はい、そうなんです。


Popo BVPPCは十分な暗深度があり、音場再現性や楽器分離性もしっかりとしてよい表現力をもっていました・・・。

が、ひとつ残念なことにPopoDAC直でイヤホン視聴した時ほどの雨粒音の自然さと表現力は発揮してくれませんでした。


そしてそのおかげで、低歪の追求以上に高SRと広GBWが必要な能力であることに気づきました。

(つまりはアナログ領域での量子化操作追従性を上げないと、雨音が雨粒子に分離してくれないってことです)


Audio Frequency Quantumという嗜好

では、ここで少し音の量子(Audio Frequency Quantum、AFQ)について理解を深めてみます。

まず、音量子というのは存在しません。


「伝達物質のことを言ってるの?」

いいえ、違います。


「デジタル音源のビットのこと?」

これは半分だけ当たりですが、もう少し深くアナログ領域も含んだ、あくまでこの場の思想上の概念です。

AFQはアナログ領域で感じ取れる雨音の単位粒子そのものを概念的に表しています。

強いて考えやすく言いますと、音と音、音と隙間のエッジと捉えてください。


では、図を見ながら考えていきましょう。

最初に時間軸に流れる適当な環境音(Sample Audio Waves)を波形で見た図を示しました。

この図の赤枠を少しクローズアップして、次の図を眺めます。




拡大図は波形をデジタル空間格子に閉じ込め、上位臨界についての判定解釈を加えたものとなります。


この波形は、(左図)96kHz 32bit/chで作られた格子に閉じ込めた場合、波形上辺の輪郭は灰色部となり、それなりに忠実さを保っているのが分かります。

では、(右図)同じ波形を48kHz 16bit/chで格子に閉じ込めた場合はどうでしょうか?


「思った以上にぼやけた」

「カクカクした」

と思いませんか?


「そういえば・・・、THDばかりを追いかけても、結局いつまでたっても何となく曇ったままだな」

って感じたことはないですか?


音の分解能差

この差は、具体的にはどういう音の差として現れているでしょうか?


ひとつは緑色の特徴である直線化(硬質化)となります。

ひとつは青、ブロック化(塊化)します。

またひとつは赤、埋没化(穏化)となって表れています。


見て分かる通り、この3つの変化はどれもが音質悪化につながっています。

音楽がひとつの特定周波数でない限り、やはりこの変化は音質の根源に関わる重要な欠陥因子となりえます。


さて、より綺麗な輪郭形成に必要な要素とは結局のところデジタル上はBitとTimeの関係性に他なりません。

PopoDACでは時間軸(Timeline)と音量子(Bit)の位置関係を再配置し、より表現力を与える仕組みを「MTLとASRCで実現しました。


この効果をボルテージ展開するアナログ領域で無駄なく丁寧に操作するにはどうすればよいでしょうか?

やはり、アナログ領域でも音量子を捉え操作する必要があり、その為の把握のために、ここではAFQ(アナログ領域音量子)という概念を使います。


例えば、32bit 96kHz/chのDAC音質を活かしきりたいと思った場合、その周波数限界の波に乗ったAFQを捉えるにはどのくらいの瞬間に割り込まなければいけないのでしょうか?

(アナログの場合LRは同時並行処理ですので、DACの時のようにCH数を考える必要はありません)


まずベース速度として「32bit 96kHzのサンプル周期10.4us」が必要となります。


これは波の形を伺うのに必要な時間であり、波上の一粒のAFQをつかみ取るには、さらに「325nsの眼(resolution)」が必要となります。


そしてその眼で見つけたAFQを増幅しようと考えた場合、例えばDACから伝達された1Vppの1量子をアナログ回路で±15V範囲で綺麗にスイングさせるとしましょう。

これには最低「SrewRate 92V/us」が必要になります。


オペアンプの役割

ところで、昨今のAudio Amplifierに不可欠となっているオペアンプ。

みなさんは、オーディオ・オペアンプに何を期待しているでしょうか?


「高精度なプリアンプ、ヘッドホンアンプ」

とか、初段の高精度増幅、IV変換とかが多いですよね。


しかし実際に回路を動かしてみてみますと、一番期待したい役割は高精度といったぼんやりした結果ではなく、なんといっても「誤差吸収」になるものと思います。

(結果的誤差吸収を上手に得ることができれば、最終出力に至るまでオペアンプの基本的な高精度性を活かしきることができます)


ではその精度の期待値として概ね次のような項目を眺めます。


どうでしょう?

一見、THDの超低歪値からすると、どれもとても透明度の高い音が聞こえてきそうです。

が、化け物OPA637以外で主用途がAudioな他ICでSR100に近づけるものはこの中では見当たりません。

(*参考TPA6120、ヘッドホンアンプ用の別化け物)


我慢がならずTLE21xx、THS46xxを使う例も多々ありますが、何せこれらは谷底が狭くて扱い難い点、電源電圧の許容範囲から利用場面が限られる点。

この2点の制約で実施的に部分的な活かし方や回路全体の何パーセントかの精度貢献になりやすいです。


単純に言って、最終出力であるスピーカーまでこの精度でAFQを届ける実装ができるのは、かなり限られた条件と感じます。

Clarityのシュミレーション値からはどうでしょうか?


贅沢にもオペアンプ構造にしまい込んだ状況下で、高速SR(325nsの眼)、広帯域GBW(96kHz超速の操作手)0.5A程度までの継続的な出力が期待できます。

このまま誤差アンプとして出力段まで押し切れば、PopoDACが送出してくる雨粒を音にしてくれそうな予感しかしません。^^


ちょっとしたオペアンプを可愛がった程度ではとても到達できない状況であると感じてきませんか?

オペアンプに求めたい役割を少しだけ変えてみますと、なんとなくClarityの到達したい終着点が見えて来ましたね。


「音の輪郭を決める最小時間粒子としてAFQを目印に雨粒のひとつひとつを奏でる音を聞いてみたい」


そして、見えて来たあなた、「おおっ!」と思ったあなた、きっと思いがけない再現性に出会えそうな予感がしてきましたね。


では、次回は回路説明に入ります。

お楽しみに♪