復元・復旧サービス充実|(有)フロンティア・オンライン

復元・復旧サービス充実|(有)フロンティア・オンライン

【深淵オーディオ】立上げ試験に最適化したステップ式CC付き正負電源 | PopoCLiPS BR 自作(DIY)

‹ 2026/06/30 ›

こんばんは。今回は電源回路の製作となります。


ええ、ええ、そうなんです。

PopoCFA Clarity プロトタイプ回路(2)の回で、しでかしましたので、その反省として立上げ試験に向いた正負電源+電流制御回路(ステップ式CC)を作ることになったわけですよ。汗



早速ながら、完成筺体の裏です。


基板二枚装備してますが、一枚は以前作っていた正負電源用の整流回路。

隙間があったのでおまけで付けただけで、今回この回路には触れません。

(中点なしのAC-ACアダプターから正負電源作るタイプって、重宝物ですね)


目的

さて、目的は立上げ試験に最適化した安全性と利便性を発揮する電源の製作となります。

Clarity プロトタイプからの失敗点から見つめた場合、次のような目的です。


・誤通電や過電流で部品を焼かないための安全性

・正負同時観測で正負誤差が見極めやすい利便性


「市販の安定化電源を使えばいいじゃんか?」

という事なのですが・・・。


「正負とも同時に目視できるものって、お高くね?、デカくね?、重くね?」

と思ったわけです。

(探せばまぁコンパクト版ありそうですが、利便性も考えますと・・・ね、汗)


そしてもう一つ、自分の好みもあって立上げ試験用に観察したい電流って少な目が多いんですよね。

Clarityもそうなのですが、最も見たい電流幅って10~60mAくらいの量感となります。

その為にゴツくて重たい安定化電源をいちいち出し入れしたくないんですよ・・・。


目標スペック

電圧:±6~24Vまで、なるべく定電圧化

電流:~100mAステップ電流制限化

モニタリング:電圧、電流値とも正負同時に目視可能

操作:電流制限10~100mAまで5,6区間でオンライブ切替したい


このくらい最低できれば文句なしです。


電流制限回路

電源回路といっても、初段の電源は市販アダプターか自作電源を使います。

ですので、今回はその先の電流制限回路を作ります。


V1、V2は外部電源です、別に乾電池でもよいですね。

Q1、Q2が電流源、Q3,Q4は電流センシング、R3、R4で実際の許容電流を決めています。

(筐体設計で後述あり)

Dは電圧バイアス用、Cは入力、出力サイドのデカップリング、高周波ノイズ除去としてC1-C4、出力側C5、C6は安定化用補助電源です。


Qについてはシミュレーション回路自体に手持ちの本番型入れました。

(※部品リストは割愛しますので、回路で確認ください。)


実装基板

今回はさほど複雑ではありませんし、一点物で使うだけですので、ユニバーサル基板で行きます。

ただ、この後、PopoCLiPSを作り上げるのに、In・Outだけでなく、基板途中から配線抜きを行って、メーターやスイッチ類をあれこれ付けなくてはいけないことが分かってます。


そうなんです・・・、いつもの通りと云いますか・・・。

鬼の配線地獄が待ってますので、ええ、ユニバーサルなのにKiCADを使います!!

(そうしないと、頭こんがらがって、間違えてしまうよぉ・・・、汗)


で、基板図です。

なかなかスマートにできましたし、途中の抜き出し位置も決めやすくなりました。^^

てか、ユニバーサル基板をPCBツールで模擬るって結構キツイですね。汗


メーター回路

お次はメーター回路の設計に取り掛かります。

ミリボル用にしようかなぁと思ったんですが、調べてみますと、そこそこ貫禄あるものしか売ってない上に高いですね。


うーん、よし秋月電子さんのお手頃VUメーターを使っちゃおう!

ということで、DE-1434とかいう超コンパクトな玩具みたいなものにしました。

カタログ見る限り悪くなさそうでしたし、薄っすら微調整ネジも見えてましたし行けそうです。



ということで実機です。

箱にAC用接続方法が二案ほど乗ってました。

(お手軽VUメーターになかなか良いかもです。)


さて、今回はこちらを電圧計兼用電流計にしますので、印刷パネルを外して図柄を作り替えます。^^


回路図

写真で見えてる通り、DE-1434のムーブメントは500uA、650Ωとなっています。

これで、電圧MAX 20V、電流MAX 100mAで目盛りを作ります。


「ということは?」

最大電圧(FV)= 0.0005A(500uA)× 650 = 0.325 V

必要抵抗(TR) = 20 / 0.0005 = 40,000 Ω(40 kΩ)


となりますので、


電圧計で欲しい抵抗 = 40,000 − 650 = 39,350 Ω(≒39kΩ)

電流計で欲しい抵抗  = 0.325 / 0.1A(100mA) = 3.25 Ω(≒3.3Ω)


それぞれ欲しい抵抗値が見えてきます。


そんなことで、電圧センシングにシリーズ抵抗39kΩ、電流センシングにシャント抵抗3.3Ωあたりを挿し込むことになります。



こちらもLTSpiceでシミュレーション回路を作りました。


と、その前に、スイッチとVUメーターのシンボル自体を作成する必要があります。

SWはONとOFFで、電流計になるか電圧計になるかの遷移状態を用意してシミュレートする必要がありましたので、なんだか本来不要なV3電源付きになってしまいます。


でも、ご覧の通り、±20Vシミュレートで想定通り動いてることが分かってスッキリします。^^


SPDTスイッチモデル

・SPDT.subファイルを作ってlib/subに配置する

・SPDT.subファイルをLTSpiceで開き、.subcktを右クリックしてシンボルをAutoGenerateする


.subckt SPDT IN OUTA OUTB CTRL

EINV CTRL2 0 VALUE {5 - V(CTRL)}

S_A IN OUTA CTRL2 0 SWA

S_B IN OUTB CTRL 0 SWB

.model SWA SW(Ron=0.01 Roff=1Meg Vt=2.5 Vh=0)

.model SWB SW(Ron=0.01 Roff=1Meg Vt=2.5 Vh=0)

.ends SPDT


DE-1434なんちゃってモデル

同上の手順でシンボルを作成する


.subckt DE-1434 P N

Rcoil P X 650

Bmeter X N I = { V(P,N) / 650 }

.ends DE-1434


筺体設計

さて、ここまでできますと、後は筺体と配線図を書いたら99%出来上がりになります。


冒頭でおまけにAC/DCコンバーターを加えましたので、配線は結構複雑になります。

頭脳パンクを避けるため、2系統に分けて図面をひきます。


電流制御セレクタ―系

まずは簡単なセレクター系から、使う部品は2回路6接点のロータリースイッチのみとなります。

OUTは送電側とセンシング側に分け、なるべく基板上の最短帰路に接続します。

基板からの引き出し線、逆のほうが良かったなぁと思ってますが、まぁ良いでしょう。汗


R3/R4構成

で、みんな知りたいセレクター(ロータリースイッチ)部の抵抗値です。


R3/R4 に流れる電流によって電圧が上昇し、その電圧がダイオード D1/D2 の順方向電圧(約 0.6V)に達すると、D1/D2 経由で Q3/Q4 のベース–エミッタ間に電圧がかかり、電流制限トランジスタがオンになります。

結果、Q1/Q2 のベース電流が奪われ、出力電流がそれ以上増えないように制限される流れです。


そんなことで、電流制限値 I_limit は

I_limit ≒ 0.6V / R3(+側)、I_limit ≒ 0.6V / R4(−側)

で見積もれます。


60Ω / 40Ω / 20Ω / 12Ω / 8.2Ω / 6.8Ω

=> ほぼ 10 / 15 / 30 / 50 / 70 / 90 mA レンジ


6接点切替、まぁまぁ良さげバランスです。


「でも、そんな奇妙な抵抗、都合よく持ってないです」

はい、持ってないです。泣


ということで作ります。^^;


6.8≒10|22

8.2≒10|47

12≒22|27

20≒10 10

40≒30 10

60≒30 30


直列(|)、並列(+)で見てください。

これで10mA~90mAまで、ちょうど良さげな間隔でライブスイッチングできれば最高に使えるでしょう!^^


電力・メーター系

うーむ、だいぶ混在。汗

関与部品は、DPDT ON-ONスイッチ x2、DPDT ON-OFF-ONスイッチ x1、DE-1434 x2にコネクタ類となります。



頑張って練ったんですが、V/A切替をDPDTでやらせようとすると、シャント抵抗は常時通電になってしまう・・・。汗

「ま、いっか、こっちのほうが出力ぶれないですし・・・」


実装・実測

実装は冒頭写真の通り、毎度混雑ワイヤリングですが、まぁ良い感じに仕上がりました。


で、いよいよ実測です。^^


手持ちの中華製かな?±16V電源を使って試験しました。

(正負で1V程度ズレがありますが、そもそも、これがこのアダプターの仕様ですので誰も悪くありません)


30mAあたりを狙って、500Ω負荷で電圧・電流計の動作を見てみます。

最も大事な切替式による電流制限が上手く働いているかのチェック、10mA針OK、15mA針OK、30mA針、50mAリミッタ作動OK。

おお~。^^


では電圧側を写真でみてみます。

張替えメーターはちょい高めになりましたが、抵抗値を微調整してもきりがないので、メータ側の微調整で何となくいい感じにしてます。


次いで電流側。

こちらも良好、メーター兼用ですので、V/A個別調整はできませんが、電流側はなかなか精度良。


ふぅ、PopoCLiPS BRの出来上がり!

これでいよいよ、待ちに待ったPopoCFA Clarityの立上げ試験が細かくできるようになりました。

良かったです!


ちなみに、この張り替えメータパネル。

スイッチのV/A切替上下とメモリのV/A上下が逆になってしまいましたが、これも良しとします。汗


では、次回はいよいよPopoCFA Clarity Release Candidate版の記事に移れそうです。

お楽しみに♪