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【深淵オーディオ】グレートな音質!TDA7265 50W+50W 2Ch.アンプ

両電源も無事にできましたので、いよいよこいつを作ります。

随分あれこれと思考したんですが、記事で書くととんとん拍子ですね。汗

【データシート】

まず、どうしてTDA7265ペアに拘っているのかについて、データシートを見ながら少し説明。

主な理由のひとつに、本命でTDA7294V x 4を手配済みってのがあって、その手前練習を兼ねてる視点でみてみます。

TDA7265のデータシートより、BTLとそうじゃない場合のT.H.D. と周波数特性を軸を合わせて、トレースし直しました。

『T.H.D. vs Output Power』

TDA7265シングルステレオで使った場合が青曲線、TDA7265ペアBTLは赤曲線、BTLにすると、T.H.D. は相対的に悪くはなりますが、出力~25Wまで試聴範囲を広げることができます。

『Frequency Response』

周波数特性は、BTLによって低域がグンと改善され、広域は20KHzで0.5dBダウンとなります。なんとなく、BTLはサブウーハーように使う感じなんだろうと思います。

実質可聴範囲を50Hz~10KHzくらいだろうと考えますと、TDA7265シングルステレオの低域100Hz~の下がり具合、出力Wの稼ぎ率からBTLペアで組むのも一興。

低域側にも底力でますので、なかなかのものになりそうです。

で、データシートをもう少し詳しくみますと、図表でも分かりますが、BTLの場合、このICはT.H.D. を考慮して、~±16Vまでの範囲で使ってくれと書いてあります。

実際に、電源電圧と音出しテストをしましたところ、パワーアンプとして使うには「±10V~±16V」、「~~±9V」ですと、出力が極端に目減りして、ヘッドフォンアンプになってしまいます。

ちなみに、この設計での待機電源は、~80mA/一回路当たりと記載もありましたので、下手をすると、待機中でもペア~160mAまで電力かかりそう、ここは留意しないといけないですね。

【キャビネット】

早速設計します。サイズは両電源と同じ、一対で使えるようにお揃い。^^;

配置も似てますね。役割が異なりますので、フロント・バックのコネクタ類が違うくらいです。

【回路】

基本回路はデータシートのBridgeサンプルのまま、実体配線を考慮して設計しました。

この回路図での調整点は、2つあります。

ミュート・スタンバイ系はスイッチなしで電源ONと同時にPlayモードになるようにしています。しかもリレーも入れてませんので、ポップノイズ次第で改良かも?という作りです。

もうひとつは、入力信号と出力信号間の増幅差がかなりありますし、両電源使いますのでね。Power GroundとSignal Groundをどこで結線するか?ですが、「ミュートスタンバイ回路」が5.1V小電流を求めてますので、ここを使うことにしました。

そんなことで、PWGNDからは電源系~ミュートスタンバイ回路~出力へ、SGGNDからはICGND~ミュートスタンバイ回路で合流にしました。

【ワイヤリング】

今回、TDA7265を2枚で2チャンネル(ステレオ)として使いますので、ICとそれを取り巻く回路個体差が出そうです。

そこで、VRも二つ、まずは入力信号からVR2「左右バランスボリューム」に入り、VR1「音量ボリューム」を通して、ICに引き渡してます。

信号入力は、VR1+VR2(5KΩ~55KΩ)となりますので、ちょいとだけ音量削られてしまいますが、PCBは使わず、お手製ハンダですから、左右バランス優先で我慢です。汗

組み込み後実写です。ICのヒートシンクは若干小さいですが、いつもの視聴レベルで使う分には大丈夫そう。

注)この実写は実験段階のもの、最終系と違いVR1/2の部品構成、配線接続が間違ってます。最終的にはワイヤリング図のように直してます。

【視聴】

で、組み上がるとこうなります。

待機電流は、±12V 90mA(45mA x 2)程度、思った以上に低くて良かったです。

8Ω1W出力でも100mA程度で済みますし、対電力パフォーマンスはとても良いと思います。

音質はグレート、手持ちのTDA7266自作回路、市販品TA2020A Cと比べる必要がないほど良いです。

単純に云えば、低音は他者と比べて良くなったし、楽器も増えました。

楽器が増えたというのは、弦が分かりやすいですが、減衰していく音をどこまで拾えているか?ってところの幅が俄然広いです。

パワーがしっかりあるので、音に芯があります。それと比べて比較他者の音色はか細いものとなりました。

高域はデータシート通り、抜群にはなりませんが、許容範囲です。

順列を付けるなら、『TDA7265 50W+50W > TDA7266自作 ≧ TA2020A C』、圧倒的。

ちなみに、今回の「TA2020A C」は無改造、巷でTA2020A Cは凄い良い、オペアンプ変えると高級品のようだって言われてますが、パワーアンプとして使うなら、それは誤解ですね。

TA2020A Cは、オペアンプ変えるより、オペアンプをカットして、回路組み直したほうが良いだろうと思います。