Recovery and restoration service:frontea online,corp.

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(4-1)コンフィグ:INSネットとCisco Voiceエンジニアリング

本日で、4回目その1。いよいよコンフィグの話になりました。といっても前回までに計画した機能展開について、ルータコマンドを発行するのはさして難しくありません。

ここでは、主に前回のダイヤルピア展開要所となる部分について、実際のコンフィグを紹介してみます。C1861もIOSで動作設定できるCiscoルータですので、基礎的なコマンド、ネットワーク展開のためのEther Layer2/3/4に関する設定は省きます。

【グローバル】

グローバルでISDN回線のスイッチタイプを入力しておきます。日本ではnttとなります。他種のものになってますと、そもそも回線側と正しく会話できませんので、必須項目です。
  • isdn switch-type ntt

【BRI】

ISDN回線からSTバス配線する物理ポートの設定です。

interface BRI0/1/0
 no ip address (PPP等データ通信しないので不要)
 isdn switch-type ntt (タイプntt)
 isdn point-to-point-setup
 isdn incoming-voice voice (音声着信を稼働)
 no shutdown

特に難しいところはないです。BRIを音声利用できるようにすればよいだけです。また、BRI2ポートありますが、1回線のみ利用しますので、BRI0/1/1は、shutdownでよいです。

【BRI音声ポート】

BRIインターフェイスと音声の通信は、一度、このインターフェイスを経由します。

voice-port 0/1/0
 cptone JP (コールトーンを日本)
 connection plar 500 (ダイヤルピア500番に直接続)
 bearer-cap Speech (データ内容は会話)

voice portはFXS側のものもありますが、BRIと対応する一対のポートはn/n/n番号が同一のものなので、それを選びます。

Called Number識別ができないので、ここで、すべての着信をダイヤルピア500番に配送してます。

【ダイヤルピア(アナログ、SIP)】

アナログ電話、PBX、SIP等の機器類のためのダイヤルピアは、ここ「dial-peer」で設定します。

(Cisco IP Phoneは、CME管理できますので、こことは別の「ephone」のほうで設定。)

外線発信用(定義999)

ここでは、どのような発信番号でも外線発信するようにしてます。今回はprefixもありませんので、その解釈もなしで外線をかけるように指示します。

dial-peer voice 999 pots
 preference 1 (優先度1で兎に角外線発信)
 destination-pattern .T (番号が一つでもあれば発信)
 port 0/1/0 (発信先にBRI音声ポート0を接続)
 forward-digits all (prefix運用しないので、入力digitsを全部利用)
 no sip-register (sip登録しない)

着信自動応答用(定義600)

着信時最終到達ピアに定義した600番です。ここでハントストップしてます。このピアは、FXSポート0に接続しますので、このポートに電話機(B)を繋げます。

dial-peer voice 600 pots
 huntstop (ダイヤルピア探索停止)
 destination-pattern 600 (内線番号600)
 port 0/0/0 (fxsポート0に接続)

【ダイヤルピア(Ethernet Dial Number/ephon_dn)】

IP Phoneのほうで利用するダイアルピアの設定はここでします。

2つのIP Phone実機用ピアと2通話分の代表ピアを確保します。

ダイヤルピアの作成コマンドがちょいと違い独特ですね。ここはIP Phoneも管理できるCMEによる機能で提供される部分ですので、コマンド様式や構造体系がCME仕様になります。

代表ピア

同時2通話分を確保するため、あえて同じ内線番号500を二つ用意します。一つ目(47)がダイヤルピア探索でハントされてしまうと、次の探索時Busyと認識されてしまうので、その場合に(48)を利用できるようにしてます。

ephone-dn  47 (1通話目)
 number 500 (内線番号)
 name daihyo (IP Phoneの表示名)
 preference 1 (優先度1)
 no huntstop (ここがBusyの場合は、48に行くようにハント停止しない)

ephone-dn  48 (2通話目)
 number 500
 name daihyo
 preference 2 (優先度2)

IP Phone用実機ピア

実機にダイヤルピアを割り当て、内線番号をセットします。

ephone-dn  1 (1台目)
 number 501 (内線番号)
 name D1

ephone-dn  2 (2台目)
 number 502
 name D2

【IP Phone登録】

同じくCMEコマンドでIP Phoneを登録し、先のダイヤルピアと紐づけします。前述のようにここもCMEコマンドです。

(CME/CUEに関するところは、電話も含めライセンスがかかります。ライセンスがないと技能があっても電話を増やせません。)

ephone  501 (内線番号501に合わせる)
 device-security-mode none
 mac-address xxxx.xxxx.xxxx (IP Phone(D1)のmacアドレス)
 max-calls-per-button 4 (内線番号最大4つ)
 type 7921 (機種7921Gの場合)
 button  1:1 2:47 3:48 (1番目自己番号、2番代表1、3番代表2)

ephone  502 (502番)
 device-security-mode none
 mac-address xxxx.xxxx.xxxx (D2のmacアドレス)
 max-calls-per-button 4
 type 7921
 button  1:2 2:47 3:48

これで内線番号501と502にそれぞれ実機(D1)、(D2)が登録されます。

【設定完了とIP Phoneへの通知】

設定が完了できたら、コンフィグモードから抜け、コマンドモードで、「copy runnging-config startup-config」を実施して、NVRAMに保存します。

その後、IP Phoneを再起動すると、新しい設定情報が取得でき、(D1)、(D2)にそれぞれ内線番号のディスプレイ表示がされます。もちろんコンフィグコマンドで、IP Phoneを再起動・設定反映もできますので、調べてみてください。

ここまでの設定で、ISDN回線からアナログ電話機(B)、IP Phone (D1)、(D2)の接続まで完了です。そして、もちろん前回のダイヤルピア探索パズルも実現できました。

あとは、実際に実機で発着信してみると、どうでしょうか。うん、内線も外線も普通に使えます。もちろん、外線保留で内線転送できますので、アナログ電話機親機・子機の関係にもなるし、それぞれが親機でもありますし、よかったよかったです。

【確認】

show コマンドを使って、ダイヤルピアの作成具合を確認してみます。

#sh dial-peer voice summary
dial-peer hunt 0
AD PRE PASS OUT
TAG TYPE MIN OPER PREFIX DEST-PATTERN FER THRU SESS-TARGET STAT PORT KEEPALIVE
20001 pots up up 501$ 0 50/0/1
20002 pots up up 502$ 0 50/0/2
20003 pots up up 500$ 2 50/0/48
20004 pots up up 500$ 1 50/0/47
600 pots up up 600 0 up 0/0/0
999 pots up up .T 1 up 0/1/0

PS.

え?今回のIP Phoneってワイヤレスですよね?Cisco ISRに接続するためのAP、ワイヤレス設定が見当たりませんですが。。。。

はい、そこは、ネットワークエンジニアリングの範疇で一先ず接続できますので、お話しは割愛しました。メーカー推奨ではないですが、Open WEPでも利用できますので。

次回は、コンフィグ2として、(B)のための自動応答とSNRの追加設定を話題にしようと思います。